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日本の水産業・養殖業の展望を開く

2001年11月02日 15:15

1ヶ月のご無沙汰でした。
この間、アフガン空爆と狂牛病問題が世間を席巻していたという感じですが、その裏では多少お魚の売り上げが上がったということはあったようです。
私の身近なところを見ても、畜産関係の売り上げが1割ほど落ち、逆に水産関係が1割ほど伸びています。
狂牛病に関して言えば、国産牛肉自体は「全頭検査」をして安全確認してから出荷するということで、少しは落ち着きを取り戻しつつあるようですが、加工品関係については、「政府の言うことは信用できない」と思っている消費者が多く、尾を引く可能性があります。
この問題は養殖魚にも関わってきているだけに、一にも早く全容の解明がなされ、安全性が確認されることを期待したいものです。

10月27日~28日の2日間、私が主宰しているメーリングリストfishmlのオフ会を広島県福山市で行いました。
今回は、北は神奈川県から南は鹿児島県まで、13府県総数21名の会員さんが参加されました。
会員さんの職種は、大学の先生、水試等の研究者、魚小売店の経営者、消費者運動家、魚市場関係者、養殖業者、飼料販売業関係者、漁船漁師、水産加工業関係者、釣り人、一般消費者と非常に多彩で、言ってみれば、あらゆる角度から「水産」に関わっている人が参加されています。
いろんな取り組みを行ったのですが、そのうちの一つに「養殖」誌10月号の「水人放言」に登場されたカネト水産(佐藤社長)さんの見学・交流会がありました。
今回は、ここで感じたことを書いてみたいと思います。
種苗生産や養殖のための施設などを初めて見られる会員の方が半分ぐらいおられたようで、いろんな質問がだされていました。
こうした見学会自体は、知らない人達に理解してもらうという点で大事なことです。
普通ならここまでのですが、今回はそのあとに昼食&交流会を約2時間ほど持ちました。
これが相互理解を深めるうえで大きな役割を果たしたと思います。
一番よかったのは、うわべだけの話ではなく、かなりつっこんだ話ができたことです。
例を挙げますと、佐藤社長から出た公務員の仕事ぶりへの批判です。
実は、参加者のなかにも数名の公務員・元公務員の方がおられたのですが、佐藤社長の批判に対して、それに正面から応える形での意見が出されていました。
もう一つは私が言ったことで、「養殖イケスの中の魚の数が、公称と出荷実数ではちがうんではないか。それが「暴落」の要因になっているのでは?」ということです。
これについても、実数をつかむのは困難という現場の実情が出されていました。
これと関連して、「暴落」「暴騰」の繰り返しについて、基本的には「あってはならない」という認識については一致しましたが、具体的な方策については困難だというのが現状で、なんらかの形での強力な指導が行われない限り、今後も起こりうるだろうということです。
養殖コスト問題も出されました。
ノルウェーサーモンなどの輸入ものの生産コストはkg300円、国内で作ればどんなに頑張ってもkg600円以上はかかる。
この問題を解決しない限り、日本の養殖業の将来は無いということです。
この問題は、個別の業者・経営体レベルの問題ではないというのは明らかだということが指摘されました。(内外格差の問題については、「養殖」誌11月号に書いておりますので、ご参照下さい。)
美味しい料理を頂きながら、日本の水産業や養殖業に関するいろんな問題について議論させていただき、非常に勉強になった意義深い1日でした。
後日、「面白い集まりですね,久しぶりに実のある話ができました」と,佐藤社長がうれしそうな顔でおしゃっていたと言うことを聞きました。
我々の訪問が、少しはお役にたったのかなと嬉しく思っています。

fishml会員さんの側でも、重要な変化があらわれています。
「こうやって同じ水産仲間でも、違った業種の方とお話すると自分自身大変勉強になります。カネト水産のおもてなしにも感動致しました。
どちらかというとぼく自身は、職がらどうしても養殖物には否定的だったのです。普段の商売からは自分の目線だけになってしまうのですが、実際に養殖されているところみると、いろんなところに苦労があるんだと改めて痛感しました。それに現実問題としてなくてはならないものですし。一口に水産といっても生産者、流通、消費者、行政、研究者など立場がさまざまで、それぞれの立場からだけ語っても何も改善されないのではと感じました。ではいったい誰がまとめるのか。到底行政や組合では不可能でしょう。勇気をもってそれぞれがお互いに歩み寄る........コミュニケーションをとることが大切なんでしょうネ。」
これは、参加されたある魚小売店経営者の方の感想です。
この方の捉え方は非常に大事なことだと思います。

カネト水産の佐藤社長は、「水人放言」で「情報交換は現場だけでなく、現場の声が研究機関や企業に反映するよう産官学で持ち寄ることが必要だ。」と指摘されています。
これは、技術の問題でのご指摘だと思いますが、もっと広い意味でも同じ事が言えると思いますし、その場面では「産官学」に「消費者」を加えることも必要ではないかと私は思っております。
そうした中でこそ、日本の水産業、日本の養殖業の将来展望を切り開いていけるのではないかと感じております。

今回でこのコーナーは終わりになります。読者の皆さん、一年間、つたない文章をお読み下さり、有り難うございました。
 2001年11月2日
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