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販売現場から、輸入魚・養殖魚を考えてみました。

2001年03月29日 07:32

この原稿を書いているのは、3月の末です。
気候は春、桜の花がチラホラと咲き始めています。
なんとなく、心楽しい気分になりそうなのですが、すなおに春を喜べないのが、全国の水産関係者の大半ではないでしょうか。
実際、このところ、ますます末端の売れが悪くなって来ています。
3月26日に、日本チェーンストア協会が発表した2月の全国のスーパーの売り上げ高は、前年同月比6.2%減。27ヶ月連続で、前年同月比マイナスという厳しい状況が続いています。
なんとか、政府に末端消費が上向く施策を取っていただかないと、最悪の事態を招きかねないというのが、現実の状況になってきていると思います。

「養殖」誌の2月号、3月号に、「席巻する輸入魚介類と養殖漁業界の苦難」が特集されました。
時宜を得た企画であったと思います。私も、むさぼり読みました。(^_^;)

私は、末端で輸入魚を販売してきた立場から、輸入魚の導入期から現在の状況まで、私なりに振り返ってみたいと思います。
若い頃、大学の食堂で働いていました。
その頃に使っていた輸入魚は、オヒョウとエビでした。
まだ、ノルウェー鯖は入っていなく、国産の生鯖を使っていました。
今では、オヒョウはほとんどみかけません。
カラスガレイ、浅羽ガレイ、白ガレイなどに変わっていますね。
味は、やっぱりオヒョウのほうが美味しかった。
乱獲で、魚がいなくなってしまったのでしょう。残念なことです。
この頃のエビは、まだ、ブラックタイガーは出まわって無く、大正エビでしたね。
今のように安くなく、どちらかというと贅沢な食べ物だったと思います。

今の職場に変わってからで一番記憶に残っているのは、ノルウェーサーモンの導入です。
なぜ、サーモンを導入したのか、現場サイドから言うと、「切り身の端境期に出てきた」と言うことです。
当時、切身魚のサイクルとしては、秋から冬(10月~3月頃)は、ぶり・鱈・さわら・さば・養殖鯛など豊富な魚種があったのですが、4月ころから夏場にかけて売るモノが無かったのです。
輸入の「キングフイッシュ(皮むきフィレ)」(キングクリップ)がフライにして美味しかったので、この魚を売っていたぐらいでした。
実際、売り場には切身魚が少なく、「丸アジ」「鮎」などの丸魚が主体で、刺身売り場を広げて、生魚売り場を狭めるのが通常でした。
そこに、サーモンが出現したのです。
フライにして美味い。ムニエルにもいい。輪切りで、ステーキにもできる。また、刺身にもできる。
価格も比較的リーズナブル。全く、夏向きの魚でした。
この魚が「輸入」であり、「養殖」であるということや、ノルウェーが国を挙げてこの魚を日本へ輸出しようとしている事などは関係なく、小売りの現場サイドから考えて、全く都合の良い魚だったのです。
この頃、三陸などで養殖された銀鮭も出まわっていたのですが、サーモンと比べると「売る」と言う点で弱い部分がありました。
ひとつは脂肪の含有量の違い、これはもう、圧倒的にサーモンの勝ちです。
もうひとつは、身の色合いです。
この頃の銀鮭は、アスタキサンチンを添加して身をオレンジにするといったことはやられていなかったようで、身色がくすんだオレンジ色だったのです。
サーモンは、明るいオレンジ。並べて売れば、絶対サーモンが美味しく見え、売れ行きも良いのでした。
結局、ブリが終わった後、秋鮭が出まわるまで、切身魚の主力はサーモンになったのです。
この頃、私が心配していたのは、秋鮭もサーモンにやられるのではないかという事でしたが、さすがに、これは価格差(秋鮭のほうが安い)もあり、「国産の鮭」を大事に売ろうという私たちのこだわりもあったため、大きな影響は受けませんでした。

現在の魚売り場、輸入魚と養殖魚がいっぱい並んでいます。(2001年3月末)
ブリの売れる時期がそろそろ終わりますので、売り場の主力がサーモンに変わっていきます。
ほんとは、養殖鯛の切り身を売りたいのですが、このところの相場高で、買いやすい価格設定が難しく、売り場の主力にしにくいのが残念なことです。
もう少しすれば、養殖のスズキ(セイゴクラス)が、安くでまわってくるでしょう。刺身で美味、塩焼きでも美味です。
スズキは、売り場の主力にはなりませんが、主力を補完する商品として大事な位置を占めるようになってきました。
生産量が安定し、価格が安くなることで、いっそう売りやすくなるように望みたいですね。
養殖魚ではないですが、タラが年間とおして売れています。
冬場は生タラで、鍋物用に利用されます。
これからの時期は輸入の冷凍ものを解凍し、フィレにしたものが中心になりますが、フライ・ムニエルに利用されます。
なんといっても、価格が安いのが利点ですね。

丸魚では、早々と養殖アユが並んでいますね。
この魚は、6月に入るとよく売れるのです。
毎年毎年、出荷時期が早くなってきているようで、3月のはじめころから、市場で見かけました。
売り場に置いても、たぶんロスになると思うのですが、競合店がおきだすと、こちらも置かざるを得ないというところがあり、少し無理をして品揃えするというのが実情でしょう。
アユに関していえば、あまり早く出荷しないでと、お願いしたいところです。
淡水魚でいえば、ニジマスもそこそこ売れます。
この種の魚は、値段とサイズのバランスがあえば、かなりの数が売れるのです。
25センチくらいの大きさで、1尾100円売りなら、相当な数が売れるでしょう。
業者さんには、その辺の見極めをして、魚を作っていただきたいと思いますね。

このところ、輸入魚の増加で、国産養殖魚が大きく影響を受けているのですが、売り場サイド・消費者サイドから考えた「魚作り」が、さらに大事になっていくと思います。
産地の養殖業者の方も、消費地のスーパーの売り場がどうなっているのか、よく研究していただいて、需要に見合った魚作りをしていただくようお願いしたいものです。
2001年3月29日記
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