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「鳥インフルエンザ事件の教訓と最近の養殖鯛の味について」

2004年03月11日 08:08

一時「寒の戻り」ありましたけれど、このところは暖かい日が続いています。
うちの裏庭の梅は、今年はたくさん咲いていて、いつもより綺麗に見えます。
気候は、春がくるのが早くて良かったのですが、世間はみなさんご存じのとおり「鳥インフルエンザ」問題で大騒ぎになっています。
特に、私の仕事場のある京都では、地元で起こった問題なので影響がすごく大きいのです。
京都北部の多くの養鶏場が30km圏内のため移動禁止になった関係で、大変な状態です。
消費者の反応は非常にシビアです。
卵を食べるのが不安、鶏肉を食べるのが不安という人が多く、安全な産地の卵や鶏肉をきちんと品揃えしていても、半分ぐらいしか売れないといった状況です。
火を通して食べれば絶対大丈夫と言われても、マスコミが毎日毎日、あれだけの情報を垂れ流すと、理性的に考えようとしても、消費者の心理としては不安感のほうが勝つのでしょうね。
「鳥インフルエンザ」問題はまだ収束しているわけではないですが、現時点で考えられる「今回の事態の教訓」はなにかというと、「問題が起こった時には、最初の対応をきっちりしなければいけない」ということでしょう。
今回の場合、最初の対応に間違いがあったために、本来なら「天災」であるものを「人災」にしてしまい、悲惨な結果を生んでしまったと言えます。
消費者や世間にたいして、以前ならある程度「ごまかし」がきいたかもしれませんが、今はそういう時代ではありません。
こういう時代認識が必要なのは養鶏業界だけではありません。
まだまだ、古い考え方が色濃く残っていると私には思える水産業界でも同じでしょうね。

さて、今月のテーマは「鯛」です。
市場に出ている養殖鯛は、天然とかわらない綺麗な赤色をしてるのや、とても鯛と思えないような黒っぽいものがあります。
養殖鯛の色は、餌によって変わりますし、養殖環境によっても変わります。
もちろん、見かけ上、赤色のほうが鯛らしいので値段は高いのですが、食べるにあたっては、色によって味が違うのかどうか、以前から気になっていました。
それで、今回は色による身質や味の違いがあるのか調べようと、知り合いの仲卸さんに「赤いのと黒いのが1尾ずつ欲しい」と頼んでおきました。
今日、取りにいって2尾の鯛をみたら、ほとんど色が変わりません。
なんでやろと考えたんですが、今日は市場が休みの日なので、品質や色・見かけが悪くてセリに出される養殖鯛の入荷がなかったんでしょう。
あーあ、失敗でした。しかたがないので、この実験は来年に持ち越しにしました。
それで、「どうしょうか、養殖新聞の原稿が書けへん」と青くなったんですが、ここはまあ「えい!」と居直ることにしました。
鯛しゃぶ(鍋)

この2尾の鯛で、今までやったことが無い料理「鯛のしゃぶしゃぶ」と「湯引き鯛」を作ってみました。
養殖鯛は活かってますので、あまり薄く切れません。(フグでも、薄く切るために、冷蔵庫で身をしめますよね。)
普通の刺身より少し薄めに切り、シャブシャブで食べてみました。
美味いですね。
鯛しゃぶ

いつもなら、私の料理に文句をつけてあまり食べてくれない子供達も「美味しい」と言ってたくさん食べてくれました。
「湯引き鯛」は、皮付きの短冊に熱湯をかけ、すぐに冷やして水切りし、刺身にしたものですがこれも美味い。
湯引き鯛

昨年も書きましたけど、養殖鯛の味は確実に進化しています。
昔みたいに「脂ギンギン」ではなく、ほんとに美味いです。
結局、 1.3kgほどの養殖鯛2尾分を、全部夕食に食べてしまいました。あーー、贅沢してしまった。これではお金はたまりませんよね。
 2004年3月11日
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インターネットで読み解く ~有機養殖って何だろう?~

2004年03月10日 20:40

「有機養殖って何だろう?」。このテーマを頂いていろいろと考えていたところで、食品の安全・安心のうえでの大きな問題である「鳥インフルエンザ」が、京都府の養鶏場で発生しました。
ご存じの通り、この養鶏場から役所への連絡が遅れたうえ、鶏がバタバタと死んでいる最中にも、感染していると思われる生きた鶏を他府県に出荷していたという事実がありました。
インフルエンザウイルスがどこまで広がっていくのか現状では全く先が見えず、地域住民や消費者に深刻な影響を与えています。
これに関する一連の報道を見ている限りでは、生産者のモラルの崩壊が、事態を拡大させてしまった大きな原因だと感じます。
同じ京都府で、賞味期限が半年前の卵を出荷した業者がいましたが、経営のモラルハザードという点では、根は全く同じ問題でしょう。
「業界の常識は世間の非常識」などという言い方をすることがありますが、鳥インフルエンザの養鶏場にしろ、半年前の卵を出荷した業者にしろ、業界の常識すら通用しない異常な経営姿勢になっていたと言えなくもないのではないでしょうか。これが養鶏業界の体質なのでしょうか。
しかし、本当は、「業界の常識」にも、「世間の常識」にも、正しいこともあれば間違っていることもあり、どちらかが一方的に間違っているというわけではないはずです。
ところが、最近の鶏・卵に関わる件やBSE、水産業界で言えばウナギやフグの問題などのマスコミ報道を見ていると、一方的に「業界の常識」が悪いように見えてしまいます。
マスコミ報道自体が、「事実」を「正確」に報道しているかどうかの点で問題はあると思いますが、それはおいておくとして、国民・消費者が受け取っている、一方的に「業界の常識」が悪いように見えてしまう状態を打開するためには、産地側から、より早く、正しい情報が提供されなければならないのではないかと考えています。

ゆらぐ「食品の安全・安心」
私は、インターネット事業に関わった仕事をしています。
同時に、日々消費者の皆さんのご意見を聞かせて頂く立場にもいます。
毎日の仕事のなかで、最近はマスコミで報道されたことに対する消費者の反応が本当に早いし、必要以上に敏感になっているという部分があると思います。
「鳥インフルエンザ」問題が報道されると、地元京都では、「気持ちが悪い」と言って、鶏卵も鶏肉も敬遠する人が増えてしまいました。
また、「とにかく輸入品は食べない」という消費者も増加しています。
その中でも、中国産を嫌がる人が多く、どちらかというと、それは少し年配の女性に多いようです。
これは、中国産の冷凍ホウレンソウに、日本では未認可の農薬が使われていたことをマスコミが大々的に報道して以来の傾向です。
この件で、ある雑誌が消費者にアンケートを取っていますが、そこでは「国産品しか買わない代表的な野菜」はホウレンソウで、回答者の71・6%がそう答えたそうです。
こうした問題や表示の不正などが続出する中で、日本生活協同組合連合会が全国の生協組合員4326名からアンケートを取っていますが、そこでは、「表示が信用できなくなったという人が8割以上」という結果が出ています。

「大きく損なわれた食品表示への信頼」
http://www.jccu.coop/information/inf_020607_01_04.htm

今、消費者における「食品の安全・安心」に対する信頼は、非常に深刻な事態に陥っていると言うことができるし、生産者側としては、なんとしてもこの事態を打開し、「食品の安全・安心」に対する信頼を取り戻さなければいけないと思います。
このことは今まさに、国民的課題になっていると思います。

fishmlとはなにか
fishmlは、1998年10月に開設しました。
インターネットのメールを利用した情報交換システム(メーリングリストと言います)です。
fishmlについての詳しいことは、下記をご覧下さい。 
 http://www.fishml.com/fishml.htm

開設時、私は「この情報交換システムが機能することで、産地と消費地が少しでも近くなればいいな」と考えていましたが、現在は実際にそのような役割を担っています。
開設より約5年半が経過し、現在の会員数は海外を含めて450名、会員は水産業の川上から川下まで、消費者、研究者など、水産にかかわる(食べるということも一つの関わり方とみて)、あらゆる階層の方が参加しています。
このメーリングリストでは、ほぼ毎日、全国の会員のどなたかからのメールが届きます。
テーマによっては、一日に50通ほどのメールが飛び交うこともあり、メール初心者の方はびっくりして、すぐ退会されるというようなこともありました。
なお、fishmlの活動としては、メールを利用した情報交換だけでなく、年2回「オフ会」という会合をもち、その中で産地見学なども行っています。
これまでに、養殖関連では福山のカネト水産見学、交流や、一色うなぎ漁協と鰻養殖場の見学会などを実施しています。
ここにおける、「水産養殖」についてのメール上での議論は、フグ養殖のホルマリン問題を中心に、その他の魚種の抗生物質問題など、養殖魚の安全性に関するテーマが多くなっています。
具体的には、下記をご覧下さい。
 http://www.fishml.com/yousyokunouo/weblog3.htm

有機養殖について
養殖魚の安全性の問題は、一般の消費者にとっては「薬漬け養殖」という言葉に象徴されます。
マスコミが好んでこの種の言葉を使うため、残念なことに、この言葉は消費者の頭にしみこんでしまっていると言っても過言ではないでしょう。
私自身は、人間が病気になったとき薬を使うように、水産物でも畜産物でも、必要なときに薬を使うことについては、その処方がきちんと定められており、その処方どおりに使われるのであれば、基本的に問題はないと考えています。
また、旬の話題であります「トレーサビリティ」という点で、養殖魚は天然魚より優位性を持っていますから、きちんと情報が公開された養殖魚では、本来、消費者にとって安全性の問題は起こりにくいはずなのです。
しかしながら、現実にはそのようになっておらず、「業界の常識は世間の非常識」という部分を、多少と言えど産地側が残していることは否定できないのではないかと思いますし、そういう現状からの脱出として、産地側から消費者に発せられるメッセージが「有機養殖」であると、私はとらえています。
fishmlでの「有機養殖」の議論ですが、最初、実際に魚類養殖を業とされている方から、会員のみなさんにたいして「有機養殖についての概念や意見・感想を聞かせてほしい」という投稿が2002年11月ごろありました。
率直なところ、それまでの養殖の議論の中では、「有機養殖」がテーマになったことはありませんでしたし、私自身「有機養殖」という言葉は知っていましたが、具体的にはどのようなものか分からず、おぼろげに連想するのはイオン㈱が販売している無投薬の養殖ウナギぐらいでした。
「有機」と言えば、どうしても農業を思い浮かべます。
水産で「有機」とはどうとらえればいいのか、「概念」そのものも「手法」も分かりませんでした。
ですから、fishml会員の多く、とりわけ消費者である会員の方にとって「有機養殖」という言葉では、それがどういうものなのか、なんだかサッパリ分からないのではないかと思い、最初に投稿された養殖業者の方に「有機養殖とはどういうものか説明して欲しい」と問いかけました。
しかし、「イメージを固定してしまうとまずいので」ということで、その時はお答え頂けませんでした。
ともあれ、始めに明らかになったのは、「水産物で有機の第三者団体に認証を受けているのは、鹿児島県の山田水産㈱の養鰻だけで、海面ではまだない」ということ、また、その「有機認証の基準」についても、これから作っていく段階にあるということでした。
そこから議論が始まり、有機養殖については、「有機認証団体や水産業界関係者が中心になり、基準作りが行われているが、そこには生協や消費者団体が入っていない」、「生産者寄りの基準作りは、商売用のレッテル貼りになりかねない」、「農業の有機では『土作り』が重視されている。
海であれば、海の環境作りが大事ではないかと思うが、そこまでの取り組みが単一の養殖業者で可能なのか」、「具体的に店頭で魚を買う消費者から見れば、内容の分からない『有機養殖のフグ』と書かれるより、『○○養殖場の無投薬フグ』と書かれたほうが分かりやすいし買いやすい」、「東南アジアの養殖法や中国の池中養魚にも有機養殖を学ぶべきだ」と言った意見が投稿されました。
また、そこではインドネシアのエビ養殖の事例も投稿されました。
「有機養殖」というテーマ自体が難しいし、言葉自体も聞き慣れないということもあり、ここでの議論はあまり続きませんでした。
そして、養殖業者さんからは、それ以後にご意見を頂けていませんので、議論としては中途半端な感じで終わってしまいました。
これは、「有機養殖」の内容がまだはっきりしていないことの、その時点での反映だったのだろうと思います。

「売れるのか?」という疑問 
いくら良い商品を作っても、消費者が買ってくれなければ、その商品を生産し続けていけませんし、経営体自身の存続も不可能になります。「有機養殖」も、そういう資本主義経済の中で成り立つものです。極端な理想論に走ったり、また、「有機養殖」を宣伝のための手法と考えるのではなく、より多くの消費者の方に、安全でできるだけ安い養殖魚を提供するという姿勢が大事だと私は思います。
ただ、現在実際に販売されている有機、無投薬を全面に出した養殖魚は品数が少なく、値引きや品切れになっていることが多いのではないかと感じています。
こういった商品は失礼ながら、あまり売れているようには見えないのです。
また、ある無投薬ブリを生産している業者は「日本では値段が高いため買い手がなく、アメリカに輸出している」ということを話していました。
有機、無投薬養殖は素晴らしいことですし、それを実践されている養殖業者さんには敬意を表したいと思います。
しかし、有機、無投薬養殖魚にコスト競争力があればもっと素晴らしいのではないかと思うのです。
コストがかさみ、売価が高すぎて「国内で売れない」となると、養殖業界の中での試みとしては意味があることかもしれませんが、失礼ながら国内の消費者にとっては、あまり意味がないのです。
先にも書いたように、人間が病気になったとき薬を飲むのと同じように、魚にも決められた薬を決められた用法で使用し、休薬期間を守って出荷するというのであれば問題はないはずです。
このようにきちんと管理していけば、「病気が出ないような海の環境作り」や「養殖方法の改善」に行き着くのではないでしょうか。
そうして努力した結果、病気が出なければ、投薬する必要はありませんから「無投薬養殖と同じ」なわけです。
そのうえで、「養殖に関する情報を完全に公開」し、消費者に安く買って頂き、おいしく食べてもらえるなら、それでいいのではないかと思います。
2004年3月10日記

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