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「今年のブリは安い。安く売って、たくさん食べてもらいましょう」

2001年11月15日 06:59

隠岐のぶり
私は、滋賀県の山の中の団地に住んでいます。
今年の夏ごろから、暗くなると近くの森からタヌキの家族が七頭も出てくるようになりました。
開発が進んで、タヌキ君達も山に住みにくくなったのでしょう。
彼らは彼らなりに、人間との共存を考えているのかもしれませんね。
近所の人が、食パンの耳をやっているのですが、このタヌキ君達、あまり人を怖がりません。
ただ、猫は怖いらしく、うちのメス猫「モモ」に追いかけられてるそうです。
さて、今回のテーマはブリです。
このところ、ぐっと気温が下がってきましたので、そろそろ「鍋物シーズン到来」「ブリ本番」になってきました。
前号、前〃号と2号連続して本紙に「養殖ブリの相場が安い」という記事が出ていました。
先日、東京から友人が出てきて「京都の市場が見たい」というので、案内しました。
そのときに、京都のブリ相場を確認したのですが、ラウンドでkg1000円ぐらい、フィレでkg1500円~1600円ということでした。
この相場、確かに安いですね。
ランクの低いものなら、3桁の価格も出ているでしょう。
こうなると末端売価100g198円でも、少しは利益が出るという状態ですね。
ラウンドで仕入れ、刺身と切り身で売った場合、当然刺身は切り身より売価を高くつけられますから、その分利益率が高くなります。
もっと、いろんなアイテムを作り、アイテムごとの売価に変化をつけることにより利益率をあげることも不可能ではありません。
言ってみれば、それが現場の仕事だし、サカナヤとしての力を発揮できる部分の一つです。
たとえば、刺身盛、刺身用短冊、切り身(厚切り、普通切り、鍋物用、しゃぶしゃぶ用、)、カマ、上アラ、並アラ、レバー等々。(レバーを売っているお店は見たこと無いですが、先日、友人にすすめられてレバーの煮付けを食べました。そこそこいけますよ。栄養価も高いしね。)
腹身と背身を別の値段にすることもできますし、g売り、p売りで変化をつけることもできます。
このように少し手間をかけて、一尾のブリからいろんな商品を作り「***産地直送ブリフェア」とかの名前をつけて売り出すと、けっこう売れるものですし、売り場がにぎやかに華々しくなります。
こんなことを考えながら、先日の土曜日に職場の近くのDスーパー(経営再建中)を見に行きました。
この時期になると、土曜日にブリの特売をするところが多いのですが、この店では「2パック680円セール」というのをやってまして、売り場の商品のほとんどが、その価格帯に合わせた設定になっていました。
ブリは、2切れ398円と480円(中身がどう違うのかわからなかった。)、厚切り1切れ480円になっていました。
アラは、無造作に他の魚のアラと一緒においてありました。
つまり、この時期、中心にならなければいけないブリが、他の魚と同じ位置づけなんですね。
「芸がないなあ」と思いましたね。
もちろん、ブリが完全に売り場の中心になるのは12月からなのですが、9月サンマ、10月アキサケという旬の魚の流れがあり、11月の売り場の主力を「養殖鯛」でいくとしても、12月本番に向けての「ブリ販売の展開」を考えると11月も主力魚種の一つであることは間違いないのです。
まして、仕入れ価格は安いのですから、早めに積極販売に打って出ることで12月本番での売り上げアップに貢献できると思うのですが。
その点では、このお店のブリの位置づけは弱いなあと思いました。
まして、一方では、まだ「生さんま」を山積みにして売ってるのですからね(これって、全くピントはずれですよ。)。
ブリという魚は、これだけで小さ目の平台一本の売り場を作れる魚ですから、もっと重視してほしいですね。
小売り価格的にも、そんなに安くなかったし、これでは「ブリの消費」も進まないなあと思いましたね。
もう一軒のお店でもブリ価格を見たのですが、Dスーパーと似たような価格。
養殖ブリの相場下落が小売価格に反映していないなあと思いました。
原価が安いときは、小売価格も安くして消費が進むようにしなければいけないと思います。
鰻にしても冷凍エビにしても、相場が下落して産地は苦境に陥っているにもかかわらず、末端価格が下がりきらず消費がすすまない。
このところ、こういう傾向が顕著に表れてきているような気がします。
相場は安いは、売れないは・・では、産地は大変です。
養殖の場合、ある時期がくれば、次の生産のために生簀を空にしなければいけません。
したがって、「投売り」や「換金売り」なんてことも出てくるのですが、安くても売れればまだいいほう、売れなければ生簀が空かないし、次の生産ができないのです。
中間や小売の段階で、利益ばかり追うのは罪なことだよなーーーと、この頃思っています。
「産地」「流通」「研究者や行政」これにプラスして「消費者」、魚に関わる関係者が一体になって、日本の養殖業の展望を切り開いていくことが必要です。
それにはまず、オサカナをもっと食べること、みなさん、原価の安いブリは小売りでも安く売って、消費者の方にたくさん食べていただきましょう。

少し話が変わりますが、先日、島根県の隠岐で養殖をやってる友人が、「天然ブリがあがってるよ」と言ってきたので、「安かったら送ってよ」と答えたら、8.8kgものを一尾送ってくれました。
値段を尋ねると、なんとkg1000円。
まあ、これに「送料」「箱代」がプラスされたのですが、それにしても「脂のりのり」の天然ブリがこの価格とは「驚愕」でした。
日本海の天然ブリは、氷見港などではkg2000円を下回ることはめったにないですね。
京都の舞鶴でも、安くてもkg1500円ぐらいはすると思います。
それを考えると、隠岐の天然ブリ、値段だけみても超お買い得でした。
食べてみると、これがまあ、ほっぺたがこぼれおちるぐらい美味い。
うちの嫁さんは、巻網船団の基地で有名な生月町の出身で漁師の娘ですから、魚の味には非常にうるさい。
めったに「美味い」とは言わないのですが、このブリの腹身を食べ「とろっとしておいしい」と言いました。
私は、隠岐のブリを賞味しながら、天然ブリがこの価格なら養殖ものは勝てへんなあと思いました。
脂の質が全く違うと思ったのです。
養殖業者さんが目標とするブリの味は、いったいどんなのか、一度尋ねてみたいなと思いました。
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日本の水産業・養殖業の展望を開く

2001年11月02日 15:15

1ヶ月のご無沙汰でした。
この間、アフガン空爆と狂牛病問題が世間を席巻していたという感じですが、その裏では多少お魚の売り上げが上がったということはあったようです。
私の身近なところを見ても、畜産関係の売り上げが1割ほど落ち、逆に水産関係が1割ほど伸びています。
狂牛病に関して言えば、国産牛肉自体は「全頭検査」をして安全確認してから出荷するということで、少しは落ち着きを取り戻しつつあるようですが、加工品関係については、「政府の言うことは信用できない」と思っている消費者が多く、尾を引く可能性があります。
この問題は養殖魚にも関わってきているだけに、一にも早く全容の解明がなされ、安全性が確認されることを期待したいものです。

10月27日~28日の2日間、私が主宰しているメーリングリストfishmlのオフ会を広島県福山市で行いました。
今回は、北は神奈川県から南は鹿児島県まで、13府県総数21名の会員さんが参加されました。
会員さんの職種は、大学の先生、水試等の研究者、魚小売店の経営者、消費者運動家、魚市場関係者、養殖業者、飼料販売業関係者、漁船漁師、水産加工業関係者、釣り人、一般消費者と非常に多彩で、言ってみれば、あらゆる角度から「水産」に関わっている人が参加されています。
いろんな取り組みを行ったのですが、そのうちの一つに「養殖」誌10月号の「水人放言」に登場されたカネト水産(佐藤社長)さんの見学・交流会がありました。
今回は、ここで感じたことを書いてみたいと思います。
種苗生産や養殖のための施設などを初めて見られる会員の方が半分ぐらいおられたようで、いろんな質問がだされていました。
こうした見学会自体は、知らない人達に理解してもらうという点で大事なことです。
普通ならここまでのですが、今回はそのあとに昼食&交流会を約2時間ほど持ちました。
これが相互理解を深めるうえで大きな役割を果たしたと思います。
一番よかったのは、うわべだけの話ではなく、かなりつっこんだ話ができたことです。
例を挙げますと、佐藤社長から出た公務員の仕事ぶりへの批判です。
実は、参加者のなかにも数名の公務員・元公務員の方がおられたのですが、佐藤社長の批判に対して、それに正面から応える形での意見が出されていました。
もう一つは私が言ったことで、「養殖イケスの中の魚の数が、公称と出荷実数ではちがうんではないか。それが「暴落」の要因になっているのでは?」ということです。
これについても、実数をつかむのは困難という現場の実情が出されていました。
これと関連して、「暴落」「暴騰」の繰り返しについて、基本的には「あってはならない」という認識については一致しましたが、具体的な方策については困難だというのが現状で、なんらかの形での強力な指導が行われない限り、今後も起こりうるだろうということです。
養殖コスト問題も出されました。
ノルウェーサーモンなどの輸入ものの生産コストはkg300円、国内で作ればどんなに頑張ってもkg600円以上はかかる。
この問題を解決しない限り、日本の養殖業の将来は無いということです。
この問題は、個別の業者・経営体レベルの問題ではないというのは明らかだということが指摘されました。(内外格差の問題については、「養殖」誌11月号に書いておりますので、ご参照下さい。)
美味しい料理を頂きながら、日本の水産業や養殖業に関するいろんな問題について議論させていただき、非常に勉強になった意義深い1日でした。
後日、「面白い集まりですね,久しぶりに実のある話ができました」と,佐藤社長がうれしそうな顔でおしゃっていたと言うことを聞きました。
我々の訪問が、少しはお役にたったのかなと嬉しく思っています。

fishml会員さんの側でも、重要な変化があらわれています。
「こうやって同じ水産仲間でも、違った業種の方とお話すると自分自身大変勉強になります。カネト水産のおもてなしにも感動致しました。
どちらかというとぼく自身は、職がらどうしても養殖物には否定的だったのです。普段の商売からは自分の目線だけになってしまうのですが、実際に養殖されているところみると、いろんなところに苦労があるんだと改めて痛感しました。それに現実問題としてなくてはならないものですし。一口に水産といっても生産者、流通、消費者、行政、研究者など立場がさまざまで、それぞれの立場からだけ語っても何も改善されないのではと感じました。ではいったい誰がまとめるのか。到底行政や組合では不可能でしょう。勇気をもってそれぞれがお互いに歩み寄る........コミュニケーションをとることが大切なんでしょうネ。」
これは、参加されたある魚小売店経営者の方の感想です。
この方の捉え方は非常に大事なことだと思います。

カネト水産の佐藤社長は、「水人放言」で「情報交換は現場だけでなく、現場の声が研究機関や企業に反映するよう産官学で持ち寄ることが必要だ。」と指摘されています。
これは、技術の問題でのご指摘だと思いますが、もっと広い意味でも同じ事が言えると思いますし、その場面では「産官学」に「消費者」を加えることも必要ではないかと私は思っております。
そうした中でこそ、日本の水産業、日本の養殖業の将来展望を切り開いていけるのではないかと感じております。

今回でこのコーナーは終わりになります。読者の皆さん、一年間、つたない文章をお読み下さり、有り難うございました。
 2001年11月2日

雑誌「養殖」 コメント: 0 トラックバック: 0

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